お子さんには第一世代の抗ヒスタミン薬（ペリアクチンなど）は極力使用しないことにして
おります。
ペリアクチンシロップなどはかぜ症状の一つの鼻水・鼻づまりなどに症状を軽くする目的で
よく使ってまいりました。小児科医は誰でも鼻水の症状が出ればペリアクチン・ポララミンなどの
抗ヒスタミンを処方してきました。私も同様でした。
しかし、ペリアクチンやポララミンは気道の粘液の分泌も抑えてしまい、痰が粘ちょうになり、
痰をうまく出せなくなり、咳込みが強くなったり、咳き込んで吐くことになってしまうため、
風邪の経過からするとあまり効果がないといわれており、反って悪化させてしまうことがあるので、
極力処方しないようにしています。
なんで鼻水の薬出ていないのか疑問があったらご説明しますので声をかけてくださいね。

そのほか第一世代の抗ヒスタミン薬（ペリアクチン・ポララミン・ザジテンなど）は、
最近の研究では脳へ影響を与えることがわかってきて、催眠作用が強いため、眠気や倦怠感、
学習能力の低下に注意しなければならないといわれています。
またけいれんを誘発したりすることが危惧されています。
さらに、けいれんの持続時間を長くしたりすることがわかってきました。
ある診療所ではこれらのお薬を中止したところ、熱性けいれんで受診される患者さんが
極端に減ったという報告もあります。
特に発熱時や、熱性けいれんの既往のある子供さんやご家族にけいれんを起こしたことのある方が
いらっしゃる場合特に注意が必要です。
小児のアレルギー疾患ではアレルギー性鼻炎、じんましん、アトピー性皮膚炎を中心に
抗ヒスタミン薬が用いられています。
当院でもこれらの患者さんには、脳への移行性の少ない(非鎮静性抗ヒスタミン薬)を
選択して処方しております。
さらにザイザルという非鎮静性抗ヒスタミン薬が発売になり、２歳未満のアレルギー疾患に
使えるようになりました。(今まで２歳未満の保険適応があるお薬は限られていました。)
当院でもアトピー性皮膚炎などでザジテンを処方してきましたが、６か月以上の患者さんにも
使用できるこのお薬に切り替えています。
　(2014年6月15日、日本小児科医会フォーラム矢内一彦先生講演参照)