Artron Laboratoriies Inc.(カナダ)の新型コロナウイルス抗体検出キットです。
メーカー公表データでは、感度93.4％、特異度97.7％となっています。
少量の血液を採取し、15分で判定します。IgM,IgGそれぞれの結果が出ます。

この抗体検査は症状の原因を突き止める検査ではなく、感染したことがあるかどうかを調べる
検査です。抗体検査は自分の体が抗体を作り始めてからでないと検出できません。
症状があってから最低でも2週間は見たほうがいいでしょう。
他の感染症では初期にIgMが検出され、その後IgGが検出されるのですが、新型コロナウイルスでは
IgMもIgGもほぼ同時に現れることがわかってきました。
平均すると1日くらいIｇMのほうが早いようです。
またIgGもどのくらい持続するのかもわかっていません。

抗体検査は自費ですので、感染の可能性があったのに、PCR検査ができなかったのでどうしても
確認したかどうか知りたい、かぜ症状があったけれどそれが新型コロナだったのか気になって
仕方がない、流行地に行ったけれど症状はなかったが、気になって仕方がない、という方が
心の平穏が得られるのであれば、価値は十分あると思います。
実際当院でも4月ころ眠れないほど気になって心配された方がいらっしゃいました。
当時接触センターにPCR検査をお願いしたのですが、必要ないとお断りされた方もいらっしゃい
ます。結局抗体検査を受けるかどうかはご自身で判断してください。
抗体を持っていればしばらくの間は予防効果があります。

新型コロナウイルスは同じパンデミックを起こしたインフルエンザとは異なることが徐々に
わかってきました。まだ流行の最中なので中間報告といったところですが。

小児の感染経路のほとんどが家族内感染であった。と小児科学会では発表しています。
たしかに7月で伊勢崎市の保育園で保育士さんの感染が報告されていますが、
濃厚接触の園児さん50名から60名にPCR陽性の方は報告されていません。
これからいろいろな報告が更になされるとは思いますが、今のところ分かってきたことを
取り上げてみました。